どこまでも一緒に孤独でネガティブな深海へ連れてってくれる…学生の頃、勝手にそう思って心の支えになっていたのがArt-Schoolである。”病んだ時に聴く”のではなく”病みにいくときに聴く”音楽だといってもいい。
そのくらい、ボーカルの木下理樹は僕たちの分まで病み(闇)を引き受けてくれていたかのように輪をかけて病んでいた。その痩せ細って殴るように唄う姿に惚れ込み、すがっていった。
今回紹介する『Butterfly Kiss』が収録されている『LOVE/HATE』は2003年リリース。僕は当時大学2年生。青春の甘さも苦さも綺麗さも汚れた部分もそのすべてが日めくりカレンダーのように、躁鬱のように乱高下して、楽しいのに時々思い切り独りきりになってどこまでも沈んでいたくなるような思いに蝕まれていた。
そんな自ら沈みたくなったときにピタリと寄り添ってくれた音楽がArt-Scoolであった。世の中の光を見せるために敢えて自分たちが闇を引き受けているようなそんな音楽。特にこの『Butterfly Kiss』はメロディがずっと切なくて、聴いているうちに心の深海深く、遠くにいけるようなそんな不思議な安心感すら与えてくる、ある意味でこれもまた救ってくれた音楽である。
誰だって自分勝手に、何かを、誰かを、遮断したくなる時がある。そんなときにぜひ聴いてもらいたい。
【Artist information】
Art-School