黎明の雰囲気を帯びたサウンドがボーカルの声を乗せて徐々に高揚感が増してく。近未来的なサウンドなのに暖かさがある。新しいのに懐かしい。調和がもたらす高次への期待感。
新しいのに懐かしい調和には根拠があって『Maisie’s Avenue』のMETAFIVEはYMOの高橋幸宏を中心に、コーネリアスの小山田圭吾、電気グルーヴのメンバーだった砂原良徳、テイトウワ、pupaのゴンドウトモヒコ、ボーカルにLEO今井というスペシャルな布陣によって結成されたバンドだからだ。
ソロアーティストだった頃からLEO今井のボールドなサウンドが好きだった。都市の中のひとりぼっちを抱え込みながら闘っているというか、彼の虎狼のような佇まいと楽曲へのアプローチは、それはそれでエネルギーなりモチベーションをもらえる。
ただMETAFIVEではやや抑え気味にしている(かどうかは個人の勝手な解釈)声の圧がこの楽曲の先にある躍動を表しているようで、この楽曲を聴くたびに自分のまだ見ぬ黎明への階段をひとつ上に登れるような、そんなアクセル役になってくれるのだ。