ロードムービーのような音楽。どこまでも先へ先へと進んでいく。道中を実況するかのようなボーカルharuの唄声。喋っているかのよう。

DIALUCKの『あの街まで』はことばがとてもいい。

君の待つあの街まで行こう
悲しい顔してもごめんねなんて言えない
置いてきた夢の続きへと行こう
昨日にバイバイしながら

この歌に本当にぴったりで素敵なフレーズ。

当たり前ながら、進んでいけばその分さっきまで目にしていた景色はどんどん後ろに遠ざかっていく。でも進み続けている自分自身はいつまでも”ここ”に居続けている。遠のいていく景色の中にもしも悲しい思い出が含まれていたとしたら、それは小さくなる景色みたいに長く自分のなかに残り続ける。たくさんの景色を重ねて少しずつ溶かしていこう。きっとそれが正しい悲しみの向き合い方なのかもしれない。そんなことをこの曲から学ばせてもらった。

この曲のMVはひたすら道をバイクで進んでいく。その構成はまさにそんな心象風景を表現しているかのよう。

悲しい気持ちをきちんと消化したいときにこそ、この曲を伝えたい。僕はこの曲にずいぶんと救われた。